●●会計事務所、所長の●●です。
このブログ、かなり多くの方が「会計事務所 辞めたい」と検索して来られています。
たしかに会計事務所の離職率は高く、一部ブラックな会計事務所が存在したりもします。
それでも 様々な「不安要素」から、なかなか踏ん切りの付かない方がいるようです。
そこで今回は、会計事務所長の視点から「会計事務所の退職」についてお話します。
後半では「辞め方」と「その後」についてもお話しますので、ぜひご参考くださいね。
「会計事務所を辞めたい」と言われた時の、会計事務所長の本音
もちろん、「辞めてほしくない」というのが本音です。
しかし多くの場合「やっぱりな…」と感じることが多いです。(部下のことをしっかり見ている人ほど、そう感じると思います)
なぜなら、日々の態度や雰囲気から何となく分かるからです。
会計事務所を辞める職員の大半は、「残業が多い」「雰囲気が合わない」などのネガティブな理由で辞めていきます。
そうしたネガティブな感情は、(本人が気を付けていても)何となく察してしまいます。
また、特に残業の多い会計事務所では「離職率」が高いため、会計事務所長も「退職の対応」には慣れています。
そのため、「辞めたいと言ったら、どんな反応をされるか…」などの不安を抱く必要は、さほどありません。
言われた側もある程度の準備ができていますし、むしろ「辞めたい」という気持ちを抱きながら働かせたいとは思いません。
当然、「辞められると困る…」という気持ちはありますが、無理強いさせたいとまでは思いません。(無理強いすることはパワハラに繋がります)
とはいえ「辞めない方が良いケース」もありますので、ケース別に対処法を見てみましょう。
「会計事務所を辞めたい」ケース別対処法
ここでは大きく3つの辞めたい理由ごとに、それぞれの対処法を見てみます。
- 原因が「人間関係」の場合
- 原因が「残業時間」や「働き方」の場合
- 入所して3ヶ月以内(かつ未経験)の場合
原因が「人間関係」の場合
所長や職員との人間関係で悩んでいるのなら、「すぐにでも辞めるべき」です。
悩んでいる時間がもったいないほどです。即、辞めるために動くことをオススメします。
会計事務所は基本的に小さな組織であり、「個人の色」が強く出やすい傾向にあります。
当然ですが、人には「合う合わない」があります。
今の会計事務所での人間関係が良くないのであれば、それは「その人と相性が悪い」可能性が高いです。
悲しいことに、「ブラック企業」のような会計事務所も存在します。
悪い環境で仕事をしていると、私生活にまで悪影響を及ぼします。 私生活を壊さないためにも、すぐに転職すべきです。
また、「辞めたい空気」は周囲にも波及してしまう恐れがあるため、その会計事務所のためにも辞めるべきとも言えるかもしれません。
会計事務所の数は2万6千を超えており、転職も比較的ラクな業界です。
●●会計事務所 人手不足リンク
なお、辞め方は後述します。
原因が「残業時間」や「働き方」の場合
会計事務所での「残業時間の多さ」や「働き方」に悩みを抱かれている方も、転職を前向きに考えるべきです。
先述のとおり、会計事務所の数は山ほど存在します。
基本的には忙しい業界ですが、人員数や会計事務所の方針によっては、「ほとんど残業が無い」という会計事務所もたくさん存在するのです。
また、会計事務所によってはリモートOKのケースもあり(ただし会計事務所での勤務経験ありの方に限定されます)、近年は働き方が改善され始めています。
今の会計事務所に居続けるメリットを考え、「メリットがさほどない」「他の事務所でも同じ経験ができる」と感じた場合には、転職を考えるべきです。
なお、辞め方は後述します。
入所3ヶ月以内ですぐ辞める場合
もし、あなたが入所して3ヶ月以内(かつ会計事務所未経験)の場合には、辞めるのは早計かもしれません。
通常、私たち会計事務所長は「未経験者」には少なからず教育コストをかけます。
言い換えれば、最初の3ヶ月は「会計・税務を勉強できる期間」なのです。
これを自ら放棄してしまうのは、少しもったいないと思います。(もちろん、パワハラ・セクハラ等を受けている場合は別です)
まずは3ヶ月間我慢してみて、それでも無理だと感じたら転職を考えてみて下さい。
一方、前職が会計事務所で経験有りの方は、すぐ辞めても良いと思います。
先述のとおり、会計事務所は個々の色が強く出ますから、別の事務所へ転職すれば改善される可能性があるからです。
転職時は「すぐ辞めた理由」を聞かれると思いますが、(あまり大きな声では言えませんが)「パワハラを受けたからです」と言ってしまえば納得してもらえるケースが多いです。
ブラックな会計事務所があるのも事実ですから、かなり説得力のある理由になります。(でっち上げても、バレることはまずないかと)
会計事務所を辞める際の「懸念事項」と「対処法」
辞めることを前向きに考え始めたとしても、懸念事項があるはずです。
そこで、ここでは会計事務所長の私の視点も踏まえ、その対処法をお話します。
引継ぎ問題
「引継ぎにはどのくらい時間がかかるんだろう…」
と疑問に感じる方もおられると思いますが、基本、1ヶ月もあれば十分のはずです。
もし、「引継ぎのために3ヶ月以上いてほしい」なんて言われたら、従う必要はないとさえ思います。(そもそもルーティンワークの引継ぎに、そんな時間をかける仕組み自体がおかしい)
通常、雇用契約書では「退職の1ヶ月前までに退職届を提出すること」と約されていますので、退職届提出後の1ヶ月間で引継ぎを行って辞める、というのが一般的だと思います。(有給が残っていれば、最後に全て消費して辞める)
ただし、もしあなたが「公認会計士」または「税理士」であるのなら、多少は所長の要望を飲んであげても良いかもしれません。
士業は横のつながりが強く、印象の悪い辞め方をすると、嫌な噂が広まってしまう可能性があります。
噂というのは怖いもので、伝言ゲームになり尾ひれがどんどん付きます。
公認会計士または税理士の方は、穏便に辞めるのがベターです。
辞めたいけど決算期・繁忙期が近い問題
余程の事情がない限り、繁忙期中に辞めるのは(余程の事情がない限り)NGだと思います。
というのも、繁忙期中に職員がいなくなると業務が回らなくなり、経営に損害を与える可能性があるからです。
損害賠償請求を受けることはまずないと思いますが(私も聞いたことがありませんが)、「恨み」は絶対に買うと思います。
先述のとおり、この業界は意外と狭く村社会です。
繁忙期に辞めることのないよう、転職を考えているのなら、早めに動いておくことを推奨します。
●●転職エージェントリンク
強い引き止めに合った場合
会計事務所では、1人辞めた時のインパクトが小さくありません。
そのため、従業員から「辞めたい」と言われると、「まだ居てほしい」と懇願する会計事務所長もいるでしょう。
あくまでお願いなので、強い意志をもって辞めるべきです。
本当にその人に辞めてほしくないのなら、例えば「給与を上げる」などのプランを提示してくるはずです。
※ 会計事務所では、従業員の給与を上げることは簡単です。自分(所長)の給与を減らせば良いだけですから。
そのような具体的な提示がないのであれば、ご自身の気持ちを優先し、辞めるべきだと思います。
押しに負けてその事務所に居続けても、あなたにメリットは無く、時間だけが過ぎる毎日が続きます。
「今よりも状況が悪化するのでは…」という不安
「辞めたいけど、今より状況が悪化したら嫌だ…」
そう思って、転職を躊躇される方がいます。
でも、それって物凄くもったいないと思います。
なぜなら「会計・税務」という領域は専門性が高く、様々な業界に転職できるという点が強みだからです。
せっかく専門性の高いスキルを身に着けているのですから、それをフル活用した方が絶対に良いと思います。(もちろん、家庭や個人の事情があることも理解しています)
先述のとおり、会計事務所の数は山ほどあります。 どうせなら、自分を高く評価してくれる組織で働くべきです。
会計事務所の辞め方【裏ワザ教えます】
会計事務所を辞める方法は、2つあります。
ここでは ①通常の方法に加えて、②裏ワザもご紹介します。
通常の辞め方
通常の方法では、次のような流れで辞めることになります。
- 転職活動をスタートする(重要)
- 内定をもらう(活動スタートから1~3週間)
- 辞表を提出する
- 引継ぎ期間(1ヶ月)
- 有給消化の上、退職する
たまに内定を得ずに辞める方がいますが、リスクがある(空白期間ができてしまう)ので避けた方が無難です。
会計事務所は人手不足のため、転職活動をスタートすると、わりと早く内定まで得られるでしょう。
転職活動スタート~退職までは、概ね「2ヶ月」が目安となります。
例えば10月から転職活動をスタートすれば、12月には辞め、次の職場で働き始めることができます。
裏ワザ的な辞め方
上記は、通常の辞め方です。
しかし、中には「辞表を出すのが怖い」「辞めさせてくれるか分からない」等、懸念を抱かれるケースもあるでしょう。
そんな方にオススメの辞め方が、「退職代行」を活用することです。
退職代行を使うと、利用スタート直後から出勤することすら不要になります。
誰とも顔を合わせることなく、弁護士が退職作業を代行してくれますので、簡単に合法で退職することができます。
デメリットは、所長に嫌な顔をされる事ですが、二度と顔を合わせることはないので正直問題ありません。(ただし、公認会計士・税理士の方は支障をきたす恐れがあるので、オススメしません)
●●無料で問い合わせ(退職代行)
会計事務所を辞めた後の転職について
会計事務所を辞めたその後についても、お話します。
転職先の選択肢は多い
会計事務所での勤務経験が計2年以上あるのなら、選択肢は非常に多いです。
会計事務所からの転職先一例
- 会計事務所
- 経理(非上場)
- 経理(上場)
「上場経理なんて無理…」と思われる方もいるかもしれませんが、会計事務所から経理へ転職される方は多いです。
私は大手監査法人時代、数多くの上場企業の経理担当と仕事をしてきましたが、会計事務所出身の経理の方は多かったですからね。
もちろん、上場経理を狙うのなら「簿記1級」レベルは取っておくべきです。
転職では、必ず「転職エージェント」を使う
今までの就活で「求人サイト」や「ハローワーク」しか使ったことのない方もいるでしょう。
しかし、それは絶対に損です。
求人サイトやハローワークでは、「求人」そのものは紹介してもらえるものの、面接・ES対策や年収交渉は全て自分で行うことになります。(そもそも年収交渉自体したことがない、という方も多いでしょう)
一方「転職エージェント」を使うことで、面接での質問内容や組織の雰囲気を事前教えてもらうことができ、転職の失敗を防ぐことができます。
それどころか、依頼すれば年収交渉もしてもらえるため、有利な雇用条件で働くことが可能になるのです。
利用はすべて無料ですし、すべてリモートで対応してもらえます。
活用しないのは、絶対に損です。
●●転職エージェントリンク
●●会計事務所 転職エージェント
会計事務所を辞めたい場合のまとめ
まとめです。
- 会計事務所長としても、ある程度の心構えはできている
- 基本、辞めたい時に辞めるのがベスト(転職先はかなり多い)
- 辞めづらいのなら、「退職代行」を使うと非常にラク
- 転職時は必ず「転職エージェント」を使うべき
以上です。
一人の会計事務所長としての視点から、会計事務所の退職についてお話しました。
会計事務所は、もともと離職率の高い業界です。
「辞めたい」と伝えると、意外なほど簡単にサクッと辞められるはずです。
●●転職エージェントリンク