【所長が解説】「会計事務所」「税理士事務所」「税理士法人」の違いとは?

●●会計事務所、所長の●●です。

タイトルの件、とっっってもよく聞かれます。

しかも厳密には、次の5種類が存在するんです。

  • 会計事務所
  • 税理士事務所
  • 公認会計士事務所
  • 公認会計士・税理士事務所
  • 税理士法人

「多いな・・・」と感じるかもしれませんが、大丈夫。

結論としては「税理士法人以外は大きな違いはない」のです。

ただし、もし上記のいずれかで働くことを考えているのなら、絶対に違いを知っておくべきです。

本記事の想定読者

  • 今まで会計事務所などで働いたことのない方
  • 会計事務所での仕事内容に興味のある方
目次

会計事務所・税理士事務所・税理士法人の「組織形態」の違い

一番分かりやすいのは、「組織形態による違い」です。

語尾を見てください。

  • 会計事務所
  • 税理士事務所
  • 公認会計士事務所
  • 公認会計士・税理士事務所
  • 税理士法人

税理士法人以外は「事務所」、税理士法人だけは「法人」という違いがあります。

単に名称が異なるだけでなく、「法人」になると基本的に「組織規模が大きい」という特徴があります。

基本的に、「法人」の方が組織規模が大きい

「~~事務所」というのは、所長による個人事業の形態です。

どんな事務所も、基本的にはじめは「~~事務所」として開業し、規模が大きくなってきたら「税理士法人」として法人化するのです。

規模が大きくなると組織に課される税率が大きくなるため、「節税目的」で法人化したり、そもそも税理士法人に成るには「税理士が2名以上」いなければならない、などの裏事情があります。

そのため、会計事務所の求人を探すときは、「税理士法人の方が組織が大きいんだな~」くらいにイメージされると良いですよ。

もちろんこれは「傾向」で、会計事務所の中には200名を超えるようなケースも(少ないですが)あります。

形態が違っても、従業員にはほぼ関係なし

先述したように、法人か事務所かという違いは、主に経営陣に関わるお話です。

会計事務所であっても税理士法人であっても、当然社会保険には加入しますし、「会計事務所だから交通費が支給されない」なんてことはありません。

会計事務所・税理士法人に転職・バイトで入られる方は、さほど注視する必要はないと言えます。

会計事務所・税理士事務所・税理士法人の「名前」の違い

次に、語尾ではなく語頭を見てみましょう。

  • 会計事務所
  • 税理士事務所
  • 公認会計士事務所
  • 公認会計士・税理士事務所
  • 税理士法人

語頭が「会計」だけだったり、「税理士」だったり、「公認会計士」だったり、、、色々あります。

実はもっと細かく言うと「会計税務事務所」とか「税務会計事務所」など、似たような事務所がたくさんあります。

では何が違うのか?というと、代表者が違うのです。

名称の違いは、「代表者の違い」である。

名称と代表者の関係

  • 語頭が「税理士」:代表者が税理士
  • 語頭が「公認会計士」:代表者が公認会計士
  • 語頭が「公認会計士・税理士」:代表者が公認会計士かつ税理士

必ず、このような関係にあります。

たとえば代表者が税理士でないにも関わらず、「税理士事務所」を名乗ることは違法です。(税理士法第53条

(ちなみに 語尾が「会計」のみの場合は、代表者が公認会計士だったり税理士だったり、マチマチです。)

そもそも、公認会計士と税理士って何が違うの?

という疑問があると思います。

ここは結構大きな違いで、代表者が公認会計士なのか税理士なのかによって、少し仕事内容が異なる傾向にあるのです。

仕事内容は、代表者が「税理士」か「公認会計士」かによって異なる

結論から言えば、代表者が「税理士」の場合には税務に特化した仕事、代表者が「公認会計士」の場合には税務以外の仕事にも携わる可能性があります。

公認会計士事務所の方が、業務の範囲が広く、スキルアップの幅が広いとイメージされると良いでしょう。(もちろん、あくまでこれは傾向です)

「なぜ、代表が公認会計士の方が仕事の幅が広いのか?」というと、実は、公認会計士は税理士にもなれるからです。

公認会計士資格になると、申請をするだけで税理士資格も取得できるため、公認会計士+税理士としての仕事をすることができるのです。(私もその一人です)

そのため、公認会計士は税理士資格も取得し、ダブルで仕事を受注するケースが一般的です。

このように、代表者が公認会計士の場合にはサービスラインが増える傾向にあるため、転職・就職した場合には税務以外にも携わる可能性があるのです。

たまに「会計事務所も税理士事務所もやることは同じである」なんて断言しているサイトがありますが、これは間違っています。正しい情報を得るよう注意して下さい。

メインとなる業務は同じ(税理士法人を除く)

代表者が税理士であっても公認会計士であっても、メインの仕事内容は「記帳代行」「税務申告」です。(つまり税務中心のお仕事)

●●【関連記事】会計事務所の仕事内容

というのも、公認会計士の仕事は専門性が高すぎるため、所長や公認会計士のみで関与するケースが多いからです。

もちろん、事務所の方針によっては公認会計士業務にも多く関与できるケースがありますので、(代表が公認会計士の事務所を視野に入れている方は)転職エージェント経由で仕事内容をヒアリングすべきです。

●●転職エージェントリンク

税理士法人の場合、より専門的な税務に触れる可能性アリ

先述のとおり、会計事務所の規模が大きくなると「税理士法人」として法人化するケースが多いです。

また規模が大きくなると、組織としての武器となる「専門分野」を有するケースが多くなります。(武器があるからこそ、法人化できるので)

つまり、税理士法人では次のような税務分野に触れる可能性があります。

税務の専門分野一例

  • 資産税
  • 相続税
  • 国際税務
  • M&A税務

いずれも、かなり専門性の高い税務分野です。

これらのサービスは専門性が高いため、一度経験を積むと、他の同業種からのニーズが高まります。

より高度で専門性の高い税務を経験したい方は、税理士法人も広く視野に入れると良いですよ。

年収の違い

あくまで傾向ですが、「税理士法人」の方が年収は高い傾向にあります。

なぜなら 会計事務所・税理士事務所・公認会計士事務所などの「個人事務所」では、有資格者の数が少なく、どうしても単価の高いサービスが受注できないのです。

また、「公認会計士」が代表の事務所の方が(傾向としては)給与水準が高くなりやすいです。

というのも、実は税務業務よりも公認会計士業務の方がクライアントからの報酬が高くなりやすいからです。

なお、「年収交渉のしやすさ」は会計事務所のほうが比較的易しいです。

なぜなら、会計事務所は個人事務所ですから、所長の裁量で従業員の給与を変えることができるからです。(大きな税理士法人などでは、年収交渉の難易度が高いです)

ご自身で年収交渉をされたことのない方は、エージェントに代行してもらうと良いでしょう。

タダで年収交渉をしてもらえますから、使わない手はありません。

●●転職エージェントリンク

「会計事務所」「税理士事務所」「税理士法人」の共通点

逆に、会計事務所・税理士事務所・税理士法人の共通点もあります。

それは、「少し変わった人が多いかも・・・」ということ(傾向)です。

税務会計はとても専門性の高い分野であり、仕事が属人的になりやすい(個人に依存しやすい)一面があります。

そのため 特に経験値が高くなってくると、あまりコミュニケーションを取らずに仕事ができてしまい、こだわりの強い人が増えやすいのです。

また、組織が小さいため第三者の目も少なく、個人の色が濃くなりがちです。

私も会計事務所に勤めていた経験がありますが、とても個性の強い方が多く、業界全体でこのような傾向が強いな…と感じました。

良い意味でも悪い意味でも、その事務所の「色」が強く出るのが、会計事務所や税理士法人の特徴です。

くれぐれも「求人」だけを見て応募するのではなく、エージェント等、第三者の声を聞いてから吟味すべきです。

●●転職エージェントリンク

「会計事務所」「税理士事務所」「税理士法人」の違いまとめ

最後に、それぞれ違いを表にしました。

「会計事務所」「税理士事務所」「税理士法人」の違いまとめ

代表者仕事内容組織規模
会計事務所公認会計士または税理士税務(+α) 小~中
税理士事務所税理士税務小~中
公認会計士事務所公認会計士税務+α小~中
公認会計士・税理士事務所公認会計士かつ税理士税務+α小~中
税理士法人税理士税務中~大

ただし、いずれもメイン業務が「税務」である点では概ね共通しており、形式上の大きな違いはありません。

就職先・転職先を探す際は、上記の形式的な違いは「目安」として考えておき、1つ1つの求人の個性を見るようにしてください。

形式的な違いだけで選んでしまうと、「雰囲気が自分に合わない事務所」や「思った以上に働かされる事務所」に入所してしまい、(私のように)精神を病んでしまう可能性さえありますからね。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる